攻略 · 2026-08-31

確率を公開させたのは規制ではなくプレイヤーだった——2021年の韓国PCと、日本版の前に読んでおく順番

✍️ アリス・愛麗沙

結論から。 マビノギの有料「細工」ツールの確率は、2021年3月25日に韓国PCで公開されました。押したのは規制当局ではなくプレイヤーです。3年後の2024年1月に韓国の公正取引委員会がネクソンへ出した是正命令と116億4,200万ウォンの課徴金は、別のタイトルの話であってマビノギは対象ではありません。ここを取り違えたまま覚えている人が非常に多い。日本版マビノギモバイル(事前登録2026年8月24日開始、サービス時期は「2026年内」のみ発表)を始める前に、順番だけは正しく持っておく価値があります。

金色の粒子をあふれさせながら開く装飾的な宝箱の公式イラスト
確率表示は、最初から仕様書に載っていたものではありません。16年目に勝ち取られたものです ・ 画像:ネクソン公式

2021年1月、会社の前にトラックが停まった

2021年1月下旬から2月にかけて、韓国PCのプレイヤーが資金を出し合ってトラックを走らせ、ネクソンの前に停めました。のちに2台目のトラックとバスも加わります。

不満は16年ぶんの蓄積でした。長く直らないバグ、ロールバック、反応のない運営、そして何より——有料の「細工」ツールの確率が一度も公開されていないこと。ネクソンはそれまで、公開は不可能だという立場を取っていました。

2021年2月19日、ネクソンはオフラインでのユーザー懇談会の開催を発表します。

画像について正直に書きます。 このトラック抗議の公式画像は存在しません。報道写真は当サイトのものではなく、識別可能な個人が写っています。だから関係のない別の絵を代わりに置くことはしません。ここは文章だけです。

3月13日:終了時刻を決めずに始めた会

2021年3月13日14時、城南市盆唐(板橋)のネクソンコリア本社。会社側4名、プレイヤー側の選出代表5名。この会議は終了時刻を設定せずに開かれました。議題はプレイヤーが書いて集めた約300件の改善提案から組み立てられています。

社数より人数が多い側が議題を持ち込む会議は、それ自体が結論の一部です。

3月25日:出てきた表の形

2021年3月25日、ネクソンは有料の細工ツール8種類の確率を公開しました。単なる1行の数字ではありません。ランク別・アイテム種別・種族別に分解された表です。

同じ発表でもう2つ約束されています。信頼性を担保するため2020年4月19日から2021年3月25日までのログを自社で検証したこと、そしてリアルタイムの確率モニタリングシステムを導入すること。

「出せない」と言っていた会社が、2か月で分解済みの表と検証済みのログを出した。技術的に不可能だったわけではなかったわけです。

伝説等級のファッションセット3種類を並べた公式イラスト
確率が分解して出るかどうかで、同じ「伝説」の意味がまったく変わります ・ 画像:ネクソン公式

3年後の処分:マビノギはそこに載っていない

2024年1月3日、韓国の公正取引委員会がネクソンに是正命令と116億4,200万ウォンの課徴金を科しました。ここが混同の発生源です。

政府自身の政策ブリーフィングが名指ししているのはメイプルストーリーとバブルファイター。マビノギは対象に入っていません。

内容は2010年に導入されたキューブというアイテムに関するもので、2011年から特定の有利な重複オプションが出ない設定にされ、2013年にはブラックキューブの最上位グレード上昇率が1.8%から1%へ、告知なしに引き下げられました。一部の告知は変更がないと明言してすらいた、というのが認定された事実です。約80万人に対する219億ウォンの補償も、同じメイプルストーリーの件であってマビノギの話ではありません。

ネクソンの取消訴訟は2026年時点でもソウル高等裁判所に係属中で、判決が繰り返し先送りされています。ネクソン側の主張は、確率公開が法的義務になったのは2024年3月であり、問題の行為は2010年代のものだ、というもの。

整理するとこうです。マビノギの確率は、規制当局が別タイトルにたどり着く3年前に、プレイヤーの圧力で出てきた。 こちらのほうが、はるかに面白い話です。

ティルコネイルの草原と石造りの建物を写した公式スクリーンショット
のどかな見た目のゲームですが、確率表示の歴史は20年ぶんの交渉の記録でもあります ・ 画像:ネクソン公式

この線は今も動いている(モバイル編)

2025年4月24日、韓国M。 プレイヤーがアイテム説明の誤認を理由に公正取引委員会へ申告しました。記録に残っている例は3つ——染色可能と書かれていたのに購入後は指定された1色しか受け付けないアイテム、スキルを1つ入れ替えるかのように読めるのに既習スキルを全部教えてしまうペットスキルディスク、そしてペットの「クリティカル上昇(自身)」の「自身」がキャラクターではなくペットを指していた件。ネクソンの回答は、不十分・曖昧な説明は継続的に改善していく、というもので、返金ではなく代替アイテムでの補償で決着しました。

2025年7月3日、韓国M。 100日記念の開発者ノートのバナーに、猫(devCAT)と並んで鼠・犬・豚が描かれていました。韓国語には操られた大衆を指す「犬と豚」という侮蔑的な言い回しがあり、プレイヤーはこれを自分たちのことだと読みます。ネクソンは既に企画済みのペットモデルを流用しただけだと説明したうえで、同日中にバナーから動物の要素をすべて削除し、100日記念の贈り物のプレミアムファッションチケットを50枚に増やして謝罪としました。

同じ日のうちに絵を差し替える会社。これも運営の性格のデータです。

台湾M:制裁リストの公開も、一種の情報開示

2026年8月24日、ネクソン台湾は2026年7月22日から8月23日までの制裁リストを公開しました(告知3531496)。根拠として3つの運営ポリシー条項が挙がっています。

条項内容対象サービス
[4-2]ゲーム内秩序の妨害台湾M
[4-3]会社およびアプリストアに関わる手続きの濫用台湾M
[4-4]ゲームの異常な利用台湾M

処分は3日・7日・30日・恒久の4段階で、公開された件数は3日が407件、7日が83件、これに30日と恒久が続きます。

キャラクター名についてはネクソン自身がマスク処理をしており、当サイトも一切再現しません。 ここで書く価値があるのは人ではなく方針のほうです。

注目すべきは**[4-3]**。これはゲーム内の振る舞いではなく、課金・ストア手続きの濫用(返金、チャージ、プラットフォームの仕組みの悪用)を対象にした条項です。ゲームの外側で起きることにも条項番号が割り当てられていて、しかも件数まで公開される。これは制裁であると同時に、運営がどこを見ているかの開示でもあります。

掲示板の前に立つキャラクターと、肩にとまったフクロウ
確率表も制裁リストも、結局は「告知を読む習慣があるか」の勝負になります ・ 画像:ネクソン公式

日本版を始める人へ

日本版の確率表示の形式も、商品構成も、価格も未発表です。以下は先行サービスの実績からの読みで、確約ではありません。

  1. 確率表は「分解されているか」で読む。 2021年の韓国PCが出したのはランク別・アイテム種別・種族別の表でした。総合値1行しか出ていないなら、それは同じ水準の開示ではありません。
  2. 表示と実装がずれる余地は、確率よりも説明文にある。 2025年の韓国Mの申告3件は、いずれも確率ではなくアイテム説明の言葉の問題でした。「自身」が誰を指すのかを疑う癖は、確率表を読む癖より役に立ちます。
  3. この会社は押されると動く。 トラック、懇談会、同日中のバナー差し替え、制裁件数の公開。反応が遅いのではなく、声が集まるまで動かないタイプです。

当サイトはガチャまわりの検証をガチャと天井の入門にまとめており、日本版の確率表が公開された時点でこの記事も更新します。